国内の主要SNS(LINE、Facebook、Twitterほか)の利用者数や利用率については、複数の調査会社から報告されていますが、調査方法や、集計方法などで、若干、数字が変わってきます。そこで当サイトでは、①SNSの利用者数(ユーザー数)は、各社が発表している数字(公表データ)、②年代別推移については、総務省が毎年実施している「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の数字を利用して、定期的に動向をまとめています。最新の公表データと、2018年7月発表の総務省の調査結果をまとめましたので、ご紹介いたします。
全体:SNSの利用率
はじめに、全体感を把握するために、総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」 (2018年7月発表)の調査結果報告書より、国内のSNSの利用率を見てみましょう。
利用率で見ると、
- LINEが、約75%(+9%)
- Facebookが、約30%(増減なし)
- Twitterが、約30%(+4%)
- Instagramが、約25%(+5%)
- YouTubeが、約75%弱(+3%)
という結果(括弧内の数字は、対前年に対する増減)になっています。
この調査では、各SNSについて「見る」か、「書き込む・投稿する」を回答する形式になっており、いずれか1つ以上行っている人を、利用者として、利用率が出されています。
一方、「書き込む・投稿する」と回答した人だけの(アクティブな人の)利用率を見ると、
このように、分かりやすくYouTubeが圧倒的に下がります。確かに感覚的にも分かりますよね。
- LINEが、約50%(+6%)
- Facebookが、約10%強(−4%)
- Twitterが、約13%(増減なし)
- Instagramが、約10%強(+2%)
- YouTubeが、約3%(増減なし)
という結果(括弧内の数字は、対前年に対する増減)になっています。調査対象としては、mixiや、ニコニコ動画なども含まれておりましたが、それらに比べてもInstagramの数字は高い結果となっています。
それでは、全体感を踏まえた上で、主要SNSの①利用者数、②年代別推移を見ていきましょう。
国内
①利用者数
- 2,800万人(2017年9月時点)
2,800万人は、2017年9月に行われたFacebookのイベント内で発表された数字です。(ソーシャルメディアラボ「国内MAU2,800万人突破!ミッション変更後のFacebook、日本における今後の展望」 )
今後の利用者数の見込みについては、アメリカの統計調査会社から、下記のようなデータも出ています。(単位:百万)
Japan: number of Facebook users 2022 | Statistic
②年代別推移
こちらは、過去に行われたFacebook社のイベントですが、各セグメントの割合が図示されたものが発表されています。実数は非公開ということですが、30代、40代以上が占める割合が半分以上?というようにも見えます。
引用元:TechCrunch「Facebookの国内アクティブユーザーは2500万人、92%がモバイル利用——10代ユーザーの割合は少ない?」
そこで先ほどの総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の調査結果報告書の数字を見てみましょう。
20代、30代の箱の大きさが、先ほどの図と若干異なりますが、10代が少なく、30代、40代以上が半分以上という点は同じ結果になりました。ただし、Facebookの場合は、最後に記載しますが、前年度から10代、20代の利用率が低下し、今年度の調査では30代の利用率も低下するという結果となっています。国内の利用者数はやや低下しているかもしれません。
海外
①利用者数
- 22.3億人(2018年7月時点)
- 北米以外の利用者:約90%
こちらは、定期的に更新されるFacebookの会社情報ページ に掲載されている数字です。世界の人口が約70億人とすると、単純計算で、30%弱(3,4人に1人が、月間に1回以上Facebookを利用している!)という数字になります。※実際は、複数アカウント利用や、企業利用などがありますので、”利用している人”は、もう少し少な目になるかと思います。
ちなみに、世界全体で見ても、Facebookが圧倒的で、下記グラフは、世界の主要SNSの利用者数(単位:百万)ですが、Instagramや、Twitterの利用率などを見ても、冒頭で記載した国内の利用率とは、大きく状況が異なるのが分かります。
Global social media ranking 2018 | Statistic
下記グラフからも分かるように、世界全体では、右肩上がりで利用者数が増加しています。
Facebook users worldwide 2018 | Statista
国内
①利用者数
- 4,500万人(2017年10月時点)
4,500万人は、2017年の10月にTwitter Japanの公式アカウントで発表された数字 です。2016年2月に行われたTwitterの記者発表会では、Twitter利用者の増加率は、世界各国の中で日本がトップだったということです。(The Huffington Post「Twitterが国内ユーザー数を初公表 「増加率は世界一」」 )
②年代別推移
総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書の数字になります。
先ほどのFacebookとは異なり、10代、20代の利用者が多いという結果になっています。また、先ほどのHuffington Post の記事によると、日本独自の取り組みとしてニュースコーナーを設けるなどして、「ツイートしなくても使える」という訴求を行ったことで、最近では、30~40代の利用者数も増加しているとのことです。
海外
①利用者数
- 3.35億人(2018年7月時点)
- 北米以外の利用者:約80%
こちらは、Twitter社のIR資料 に掲載されている数字です。先ほどの、国内の利用者4,500万人という数字とあわせて見ると、Twitter利用者全体の約13%が、日本からの利用ということになります。
下記グラフの通り、全体の利用者数の増加ペースは、やや緩やかになっているようです。
Twitter: number of active users 2010-2018 | Statista
LINE
国内
①利用者数
- 7,600万人(2018年10月時点)
7,600万人は、定期的に更新されるLINEの媒体資料 (2018年12月-2019年3月)に掲載されている数字です。アクティブ率(DAU/MAU比率)とは、LINEを1ヶ月に1回以上利用したユーザーのうち、1日に1回以上利用したユーザーの割合のことで、85%は、他のSNSと比べても、特に高い数字となっています。
下記グラフからも分かるように、着実に利用者数が増加しています。最後に記載しますが、最近では、特に40〜60代の利用者数が増加しています。
LINE MAU in Japan 2018 | Statistic
②年代別推移
媒体資料に、LINEユーザーの属性が掲載されていますので、引用させていただきます。比較しやすいように、これまでと同じ形式のグラフにしてみました。年代別に見ると、幅広い年齢層に利用されていることが分かります。
先ほどの総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書の数字も見てみましょう。
若干、各年代の割合に違いはありますが、概ね、傾向は同じようです。調査会社や、調査方法、時期なども異なるので、一概に言えませんが、幅広い年齢層に利用されているということで間違いないでしょう。※媒体資料のデータは、大手調査会社によるインターネット調査の結果とのことです。特に、人口のボリュームゾーンである40代、50代以上の利用者数が増加しているため、他のSNSとは異なるグラフになっています。
海外
①利用者数
- 2億1,000万人(2017年7月時点)
- 主要4カ国(日本、タイ、台湾、インドネシア)の利用者:1億6,400万人(2018年8月時点)
こちらも、媒体資料や決算資料に掲載されている数字です。日本、タイ、台湾、インドネシアの主要4か国で、全体の利用者の8割を占めています。
ただし、下記グラフの通り、国内の伸びに比べると、海外含めた全体の利用者数は、緩やかになっているようです。
number of monthly active users 2016 | Statistic
国内
①利用者数
- 2,000万人(2017年10月時点)
2,000万人は、Facebook社のイベント内で発表された数字です。(ソーシャルメディアラボ「国内MAU2,000万! Instagram Dayから見るビジネス活用の展望」 )特に、ここ数年、国内でも若い女性を中心に、利用者が急増しています。
②年代別推移
総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書の数字になります。
ややTwitterと似たようなグラフで、20代、30代の利用者が多いという結果になっています。総務省の報告書によると、昨年度と比べて10〜20代の利用率が大きく伸びています。最近では、ファッション情報を検索するのに、「Google」ではなく、「Instagram」で検索する人も増えてきていますね。
海外
①利用者数
- 10億人(2018年9月時点)
- 北米以外の利用者:約80%
こちらは、定期的に更新されるInstagramのメディアページに掲載されている数字です。Twitterが約3億人なので、既に世界では、Instagramの方が利用者が多いんですね。
下記グラフからも分かるように、現在もかなりの右肩上がりで利用者数が増加しています。
Instagram: active users 2018 | Statista
その他のSNS
その他、世界で利用者数が多い上位のSNSについて、簡単にご紹介いたします。
LINEと同じような、メッセンジャーアプリです。南アフリカや、インド、中東など、幅広い地域で利用されており、Facebookに次ぐ利用者数を誇ります。2014年にFacebookが買収しています。
利用者数
- 15億人(+3億人)
QQ / WeChat / QZone
QQ、WeChat、QZoneは、いずれも世界のIT企業の時価総額Top10に入る中国の会社「テンセント」グループのサービスになります。WeChat(※上のアプリアイコン)は、LINEと同じような、メッセンジャーアプリです。
利用者数
- WeChat:10.4億人(+1億人)
- QQ:8億人(−0.6億人)
- QZone:5.6億人(−0.7億人)
SnapChat
アメリカの10代を中心に人気の、写真、動画コミュニケーションサービスです。日本やアジア圏では、似たようなアプリとして「SNOW」があります。詳しくは「Snapchat(スナップチャット)の使い方 – 3分で分かるはじめてガイド」をご確認ください。
利用者数
- 2.5億人(推定)
- DAU:約1.9億人(Snap社のIR資料 )
アメリカでの利用者が多い、ビジネスに特化したSNSです。2016年に、Microsoftが買収しています。
利用者数
- 2.9億人(推定)
- 登録ユーザー数:約5.4億人(LinkedInの会社ページ )
国内の年代別、主要SNSの利用率推移
最後に、総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の報告書から、国内の年代別、主要SNS(LINE、Facebook、Twitter、Instagram)の利用率の推移をご紹介いたします。※ Instagram は2015年度からの集計になります。
10代
20代
30代
40代
50代
60代
特徴的なのは、
- LINEの利用率が、40〜60代で大きく増加している
- Instagramの利用率は全体で増加しているが、特に10〜20代で大きく伸びている
- Facebookの利用率が、前年度から10代、20代で低下し、今年度は30代でも低下している
といった点でしょうか。国内では、Facebookの利用率がやや低下した一方、LINEの利用率がさらに増加し、50代では、約5人に3人が、60代では約5人に2人が利用している、という結果になっています。
まとめ
いかがだったでしょうか? 国内の主要SNSの利用者数(各社の公表データ)と、総務省の調査結果報告書から、年代別推移について、ご紹介いたしました。
国内では、より一層SNSの利用が浸透しており、特にLINEの利用率が、40〜60代で大きく増加しているようです。また、海外では、Facebook(ならびに、Facebook傘下のInstagramや、WhatsApp)の利用者が多く、以前右肩上がりで利用者数が増加しています。逆に、LINEは、国内の伸びに比べると、緩やかになっているようです。
SNSを活用したマーケティング施策の検討や、市場の動向調査などの際に、是非、参考にしていただければと思います。