病院や薬局で「電子処方箋にしますか?」と聞かれて、何が変わるのか、どう使えばいいのか戸惑った方は多いのではないでしょうか。電子処方箋は、これまで紙で受け取っていた処方箋を電子化した仕組みで、対応した医療機関・薬局で使えます。
この記事では、電子処方箋の使い方を、受付から薬の受け取りまでの流れに沿って、図解を交えてやさしく解説します。医療や保険の商品には触れず、使い方に絞ってご案内しますので、はじめての方も順番に読めば大丈夫です。
先に流れをお伝えすると、基本は「マイナ保険証で受付 → 過去のお薬情報の同意 → 電子処方箋を希望 → 交付日を含めて4日以内に対応薬局で受け取り」です。
この記事は、厚生労働省「電子処方せんの利用方法(国民向け)」 の情報をもとに、わかりやすくまとめたものです。制度の詳しい内容や最新情報は、厚生労働省の公式ページもあわせてご確認ください。
電子処方箋は2023年1月に運用が始まりました。
そもそも電子処方箋とは?何が変わるの?
電子処方箋は、紙の処方箋を電子化した仕組みで、対応する医療機関・薬局でマイナ保険証などを使って受け取れます。
これまでは紙の処方箋を薬局へ持っていきましたが、電子処方箋では処方の情報が電子的にやり取りされ、患者さんには紙の処方箋の代わりに「処方内容(控え)」が渡されます。
紙の処方箋との違い
大きな違いは、お薬の情報を医師・薬剤師がデータで確認できる点です(同意した場合)。直近〜過去5年分のお薬情報などをもとに、飲み合わせや重複したお薬のチェックに役立ちます。
使うために必要なもの
使うには、マイナンバーカード(健康保険証としての利用申込みを済ませたもの)か、資格確認書が必要です。加えて、電子処方箋に対応した医療機関・薬局で利用します。
電子処方箋の使い方(マイナ保険証で受付する場合)
受付でマイナカードをカードリーダーに置き、本人確認とお薬情報の同意をして「電子処方箋を希望する」を選ぶだけです。
厚生労働省の案内では、次のような流れです。

厚生労働省「電子処方せんの利用方法(国民向け)」 をもとに作成
医療機関での受付・診察
- 対応した医療機関で受付します。顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置きます。
- 顔認証、または4桁の暗証番号で本人確認をします。
- 過去の手術・診療・お薬・健診などの情報提供に、同意するかどうかを選びます(すべて同意も、項目ごとの選択もできます)。
- 処方箋の発行方法で「電子処方箋を希望する」を選びます。※選ぶ画面が出ないときは、診察のときに医師へ「電子処方箋を希望します」と伝えます。
- いつもどおり診察を受けます。
- 会計をします。紙の処方箋の代わりに「処方内容(控え)」を受け取ります。※マイナポータルで確認できるため、控えを渡さない医療機関もあります。
薬局での受け取り
交付日を含めて4日以内に、対応薬局でマイナカード受付すれば、引換番号なしで受け取れます。
- 交付日を含めて4日以内に、対応した薬局で受付します。顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードを置きます。
- 顔認証、または4桁の暗証番号で本人確認をします。
- 過去のお薬情報の提供に同意するかどうかを選びます。
- その薬局で調剤を受ける処方箋を選びます。
- 薬を受け取り、会計します。
マイナカードで薬局受付する場合、処方内容(控え)の引換番号は使いません。
資格確認書で受付する場合(マイナ保険証を使わないとき)
資格確認書のときは、窓口で「電子処方箋を希望します」と伝え、薬局では控えに書かれた6桁の引換番号を伝えます。

厚生労働省「電子処方せんの利用方法(国民向け)」 をもとに作成
医療機関での受付(資格確認書)
- 資格確認書を提出し、「電子処方箋を希望します」と伝えます。
- いつもどおり診察を受けます(医師から確認されることもあります)。
- 会計をします。「処方内容(控え)」を受け取ります(6桁の引換番号が書かれています)。
薬局での受け取り(資格確認書)
- 交付日を含めて4日以内に、対応薬局で受付します。窓口で「電子処方箋であること」と、控えの6桁の引換番号を伝えます。
- 薬を受け取り、会計します。
資格確認書の場合、医師・薬剤師は過去の服薬情報をデータで確認できません。飲み合わせや重複したお薬のチェック自体はできますが、どのお薬が原因かまでは分からないことがあります。詳しく確認してもらうには、マイナ保険証でのお薬情報提供の同意が必要です。
ここまでの受付から受け取りまでの流れは、厚生労働省「電子処方せんの利用方法(国民向け)」 をもとにまとめています。
「過去のお薬情報の同意」って何?同意すると何が誰に共有される?
同意すると、医師・薬剤師が直近〜過去5年分のお薬情報などをデータで確認でき、飲み合わせや重複したお薬の安全確認に役立ちます。任意で、項目ごとに選べます。

厚生労働省「電子処方せんの利用方法(国民向け)」 をもとに作成
厚生労働省の案内では、同意すると共有されるのは次の情報です。
- 共有される情報:手術・診療・お薬・健診などの情報(電子処方箋に対応した施設では直近〜過去5年分)。
- 誰が見るか:受付した医療機関の医師・歯科医師、薬局の薬剤師。
- 任意です:すべて同意することも、項目ごとに同意・不同意を選ぶこともできます。同意しなくても電子処方箋は使えます。
- メリット:服用中のお薬との重複や、飲み合わせの心配がないかのチェックに役立ちます。
こうしたお薬・処方の情報は、自分のマイナポータルからも確認できます。
処方内容(控え)と引換番号について
処方内容(控え)は処方箋そのものではなく、内容を確認するための書類です。資格確認書で薬局を受け付けるときは、控えの6桁の引換番号が必要です。
厚生労働省の案内によると、処方内容(控え)は処方箋そのものではなく、処方の内容を患者さんが確認できるよう、当面の間お渡しされているものです。
- 引換番号をなくした・分からないとき:処方箋を発行した医療機関に問い合わせるか、自分のマイナポータルで確認できます。
- 薬を受け取ったあと:控えは破棄してかまいません。

引換番号やお薬の情報はマイナポータルからも確認できます(画面は今後変わる可能性があります)
電子処方箋に対応している医療機関・薬局の調べ方
厚生労働省の検索ページや、店頭のポスターで、対応しているかどうかを確認できます。
電子処方箋は、対応した施設でのみ使えます。かかりつけや近くの医療機関・薬局が対応しているかは、厚生労働省の対応施設の検索ページ で調べられます。店頭に貼られたポスターも目印です。
よくある質問(FAQ)
Q. 電子処方箋にすると何が変わりますか?
A. 紙の処方箋の代わりに処方内容(控え)を受け取り、同意すればお薬の情報を医師・薬剤師がデータで確認できるようになります。飲み合わせや重複したお薬のチェックに役立ちます。
Q. 紙の処方箋でも受け取れますか?
A. 対応していない医療機関では、これまでどおり紙の処方箋です。対応した施設でも、希望しなければ紙にできます。
Q. マイナ保険証がないと使えませんか?
A. 資格確認書でも使えます。その場合は薬局で控えの6桁の引換番号を伝えます(お薬情報のデータ確認には制約があります)。
Q. 引換番号をなくしたらどうすればいいですか?
A. 処方箋を発行した医療機関に問い合わせるか、自分のマイナポータルで確認できます。(マイナポータルの画面は今後変わる可能性があります。)
Q. 対応していない薬局に行ったらどうなりますか?
A. その薬局では電子処方箋を受け付けられないことがあります。事前に対応薬局かどうかを確認しておくと安心です。
Q. お薬手帳はどうなりますか?
A. 電子処方箋でも、お薬手帳は引き続き使えます。
Q. 薬局には何日以内に行けばいいですか?
A. 交付日を含めて4日以内です。
まとめ
はじめての電子処方箋は少し身構えてしまいますが、やることは受付でマイナ保険証を使い、お薬情報の同意をして「電子処方箋を希望」を選ぶだけです。あとは交付日を含めて4日以内に、対応した薬局で受け取れます。
紙の処方箋をなくす心配が減り、飲み合わせや重複したお薬のチェックにも役立つのは安心です。まずは、かかりつけの医療機関・薬局が対応しているかを確認してみてくださいね。
