パソコンからスマホに利用者が急激に移行している状況は、日本だけでなく世界中で共通の出来事となっています。それでは、そのスマホの中では、アプリと、ウェブ、どちらがよく使われているのでしょうか? 各種調査結果からその答えを探ってみます。
改めてスマホが増加している状況
まず、改めてパソコンからのインターネット利用者が減少し、スマホからの利用者が急増している状況を確認してみます。ニールセンの調査レポート によると、2013年4月~2014年3月の1年間で、
- パソコンからのインターネット利用率が、6%減少し、
- スマホからのインターネット利用者が、38%増加
しています。増加率では、女性35-49歳が64%増加と最も多く、次いで、男性50歳以上が48%増加となっており、若年層だけではなく、全年代においてスマホシフトが進んでいる状況が分かります。
出典 http://www.netratings.co.jp/
アプリ利用時間が72%、ウェブ利用時間が28%
それでは、スマホの中では、アプリと、ウェブ、どちらがよく使われているのでしょうか? 同じくニールセンの調査レポート によると、2014年7月のデータでは、スマホの利用時間全体のうち、
- アプリ利用時間が、72%
- ウェブ利用時間が、28%
で、アプリからの利用時間が、ウェブブラウザの約2.5倍となっており、2013年度の他調査レポートよりも、顕著にアプリ利用率の方が高い結果となっています。
出典 http://www.netratings.co.jp/
また、カテゴリ別に長時間使われているアプリを見ると、
- サーチ、ポータルとSNS(検索や、Twitter、Facebookなど)
- エンターテイメント(ゲームや動画など)
- コミュニケーション(メールや、メッセンジャーアプリなど)
の上位3つで、全体の70%以上の時間を使っていることが分かります。それ以外でも、「Eコマース」が5位につけている点は興味深く、Amazonや楽天などのショッピングサイトの利用シーンも、パソコンからスマホに移ってきているようです。
出典 http://www.netratings.co.jp/
アメリカでは86%がアプリ
それでは、この先アプリとウェブの利用率がどう変わっていくのかを予想するために、アメリカのデータを見てみましょう。Flurryの調査レポートによると、2014年3月時点で、
- アプリ利用時間が、86%
- ウェブ利用時間が、14%
となっており、日本よりもさらにアプリ利用率が高い結果となっています。
出典 Flurry
カテゴリ別に長時間使われているアプリを見ると、「ゲーム」が多めですが、先ほどの日本のデータと同じように「SNS」や、「エンターテイメント」、「コミュニケーション」で全体の70%以上となっています。
出典 Flurry
この結果を見ると、日本も、今後さらにアプリ利用時間が増加していくと見ていいでしょう。
スマホが当たり前の世代の利用状況は?
最後に、今後のスマホのメインユーザーとなる、現在高校生の利用状況を見ておきましょう。リクルート総研の調査データ によると、2014年4月時点で、
- 高校生のスマホ所持率は、80%超え
- アプリ利用率は、90%超え(前年調査の2.6倍)
- パソコンのインターネットを全く利用しない人は、約7人に1人
となっています。アプリ利用時間と、ウェブ利用時間の明確な調査データはありませんが、アプリ利用率で見ると、2013年が35%だったのに対し、2014年は92%と、相当な伸び幅になっています。
出典 http://souken.shingakunet.com/
カテゴリ別で見ると、これまでの調査データと同様、高校生も、「SNS」「エンターテイメント」「コミュニケーション」がやはり上位を占めていますが、「動画系アプリ」が「SNS系アプリ」に次いで利用率が高いようです。
出典 http://souken.shingakunet.com/
高校生がよく使うSNS系アプリベスト3
- Twitter – 利用率62%
- LINE – 利用率43%
- Facebook – 利用率8%
高校生がよく使う動画系アプリベスト3
- YouTube – 利用率80%
- ニコニコ動画 – 利用率14%
- niconico(ニコニコ) – 利用率3%
高校生がよく使う写真(加工)系アプリベスト3
- LINEcamera – 利用率25%
- Instagram – 利用率5%
- DECOPIC – 利用率5%
※ただし、女子利用率66%、男子利用率40%と男女差が明確にある
まとめ
以上見てきたように、スマホの中で、アプリと、ウェブ、どちらがよく使われているのか? その答えは、「アプリの方がウェブ(ブラウザ)よりも使われている」と言っていいでしょう。これまで記載した内容は、各社、各種方法で行われた調査結果の数字を基にしているため、横断的に見ることは出来ませんが、この様な事ははっきりしているでしょう。
- アプリの方が、ウェブ(ブラウザ)よりも使われている
- 利用時間にすると、7:3や、8:2といった割合になる
- アプリ利用時間の大部分は、SNS系、ゲームや動画などのエンターテイメント系、コミュニケーション系のアプリで占められている
そしてアメリカのデータを見る限り、今後もアプリ利用時間が増加していくでしょう。
20代、30代だけでなく、40代、50代以上の世代もスマホシフトが進んでいる今日、スマホ利用率増加→アプリ利用率増加 という流れは暫く続きそうです。その後は、モバイル通信速度の向上や、現在の2大プラットフォーマ―(Google、Apple)が”どう考えるか”次第で、色々変わっていくのかもしれません。
オンラインでサービスを提供されている会社の担当者様は、参考にしていただければと思います。